「会社が急成長した瞬間」に、組織の言葉が死ぬ病。
本来なら、前向きな変化のはずなのに。事業承継、上場、新しいサービスの立ち上げ。会社が良い方向へ進んだはずの直後に、なぜか社内の足並みが乱れ、外部からの評判が揺らぐことがあります。
私はこの数か月、複数の企業様を観測する中で、同じ現象に何度も出会いました。特定の一社の話ではなく、業種も規模も異なる企業様に共通して見られたパターンです。
会社が変化するとき、まず変わるのは経営者様の頭の中です。新しい事業の方向性、新しい採用の基準、新しい組織の形。これらは、意思決定の瞬間にはすでに経営者様の中で固まっています。
けれど、それを外部に伝える言葉──求人票やホームページ、採用メッセージ──は、変化の速度に追いついていません。数か月前に作られた言葉が、今の実態とは少しずつズレたまま、そのまま使われ続けているのです。
これを、私は「タイムラグ」と呼んでいます。
面白いのは、すべての企業様がこのズレを抱えているわけではない、ということです。ある企業様では、意思決定をする方と、それを言葉にして語る方が同一人物でした。その会社では、変化はあっても、言葉の遅れはほとんど見られませんでした。
つまり、問題は変化そのものではありません。変化を決める人と、それを言葉にする人との「距離」が、タイムラグの正体なのです。
この距離が大きい会社ほど、良い変化が、外部からは伝わりにくいものになってしまいます。
では、どうすればいいのか。社内の人間だけで、この距離を埋めるのは、実はとても難しいことです。日々の業務の中にいると、自分たちの言葉がどれだけ実態からズレているか、なかなか気づけません。
だからこそ、しがらみのない外部の観測者──私はこれを「マレビト」と呼んでいます──が、一度立ち止まって構造を整理し直す価値があるのだと思います。
けれど、良い言葉を外から持ち込むだけでは、まだ半分しか解決していません。言葉には、もう一つの敵がいるからです。
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この記事が、事業の変化にともなう発信のズレに悩まれている方の、小さなヒントになれば嬉しく思います。
必要でしたら、お気軽にご相談ください。