COLUMNコラム記事

なぜ「いい言葉」ほど現場で使われないのか。価値ある「言葉」と、ただ正しいだけの言葉の違いとは?

「立派な経営理念はあるのに、社員は覚えていない」 「いい採用コピーを作ったのに、応募は増えない」

こうした話を聞くことは、珍しくありません。 不思議なのは、それらの言葉が間違っているわけではない、という点です。

むしろ内容はとても”正しい”。 それでも現場では使われず、行動も変わらない。

ビジネスにおいては、「正しさ」と「価値」は別物だからです。

誰も否定できない言葉は、誰の行動も変えない

「社会貢献」「誠実」「お客様第一」「挑戦し続ける」

どれも否定のしようがない、正しい言葉です。 しかし、正しすぎる言葉には、ある欠点があります。

判断が生まれないのです。

誰も反対しない言葉は、誰の行動も縛りません。 結果として、その言葉は空気のように受け流されてしまいます。

価値ある言葉には、必ず「私たちはこちらを選ぶ」「これは選ばない」という意志が含まれています。

価値とは「美しさ」ではなく「機能」である

多くの企業が、言葉の価値を「美しい表現」「感動的なストーリー」だと考えがちです。

しかし、現場で本当に求められているのは、別のものです。 それは、迷ったときに判断できるかどうか。

• AとBで迷ったとき
• 前例がなく、即決が必要なとき
•「理念にこうあるから、今回はAを選ぶ」

そう言い切れる言葉だけが、価値を持ちます。

判断に使えない言葉は、どれだけ綺麗でもただの装飾品にすぎません。

なお、言葉が「使われ続ける」状態については、前回の記事で「資産」という観点から整理しています。

ビジネスの資産となる言葉とは何か

「翻訳」されて初めて、言葉は価値になる

経営者の想いは、原液のようなものです。 そのままでは濃すぎて、現場には届きません。

だからといって薄めすぎると、今度は意味が消えます。 必要なのは「翻訳」です。

• 営業なら、説明や判断の軸へ
• 採用なら、求める人物像へ
• 開発なら、仕様を選ぶ基準へ
• 広報なら、何を言わないかの線引きへ

用途に合わせて変換されたとき、言葉は初めて価値を持ちます。

翻訳されていない言葉は、正しくても使えない。 それが現場で起きている現実です。

あなたの言葉は「正しい」ですか?それとも「機能」していますか?

言葉を飾ることと、言葉を機能させることは違います。

• 正しい言葉は、誰も否定しません
• 価値ある言葉は、行動を縛ります

ビジネスにおける言葉の価値は、「どれだけ使われたか」で決まります。

言葉の問題ではありません。 才能や努力の問題でもありません。

整理の問題です。

私は、言葉を整理し、機能させる仕事をしています。


組織の言葉を機能させませんか?

正しいのに使われない、美しいのに判断につながらない。 そんな言葉を、現場で機能する形に整理します。

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関連記事: ビジネスの資産となる言葉とは何か – 使われ続ける言葉の3つの条件について解説
編集は「意思決定」である – 情報を価値として伝える判断について解説

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